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美容師が意外と知らないpHとpkaの関係性
11.11 夜 阪急岡本駅にあるSTORYSでT氏とサルファイト とモノエタノールアミンの検証会をしました
サルファイト とモノエタノールアミンの話しをしながらも最終的にはphとpkaの話しになり、熱く二人共なっていましたw
pHについて
pHとは水溶液中の水素イオン濃度を表す指数
難しく言うとかなり難しくなるのでなんとなくで捉えて下さい
アルカリ性、中性、酸性と位置づけられますが数字が高くなるとアルカリ性、アルカリ性と酸性の真ん中が中性、数字が低くなると酸性です
pHは髪にもかなり影響をします
髪が1番いい状態が等電点のpH5です
アルカリ性に振られると髪はダメージします酸性はダメージしないという事は間違いで酸性に振りすぎるとダメージします
その事間違えている美容師さんがほとんどです(涙)
アルカリ性、中性、酸性をしっかり理解しないとあなたの髪はとんでもない事になりますよ〜
大丈夫ですか?あなたの担当してる美容師さん!
pHとは? pH値の求め方
少し数学的に表現するとpHは、つぎのように定義されます。
pH =-log[H+]
logとは、対数(ロガリズム)のことで、x=10nのときnをxの対数といい、n=logxのようにあらわします。
たとえば、log2=0.3010は、2=100.3010ということをあらわしています。
0.01=10-2 → log10-2=-2
0.1=10-1 → log10-1=-1
1=100 → log100 = 0
10=101 → log101 = 1
100=102 → log102 = 2
1000=103 → log103 = 3
これからもわかるように、logで1だけ異なると10倍の違いに相当することになります。
純水な水のpHは、
pH=-log(1.0×10-7)=log10-7=7
0.1mol/Lの塩酸のpHは、
pH=-log(1.0×10-1)=-log10-1=1
この計算の仕方を見る限りではphが1変わるという事はかなりの数がある事で1上がるが分かると思います
数学の1と化学の1は全然違う1なんです
1変わるぐらいでそんなに変わんないと思っている方は気をつけてください
危ないですよw
pkaについて
右側がpH6.8の基材にpH10のサルファイトを5:1で調合して縮毛矯正をしました
左側はpHが4.5〜5.5の基材にpH10のサルファイト を5:1で調合して縮毛矯正をしたところです
左側の方が毛先が丸くなっています
逆に右側の方が真っ直ぐにややなっています
これは右側pH6.8の基材にpH10のサルファイト を調合した薬剤の方が伸びたということになります
ここにpkaとpHの関係性が凄いわかってくると思います
サルファイトはpHが高めに設定されているのはアルカリ領域でサルファイトが活性するということ
なのでpHが6.8の基材にサルファイトを調合する事でpHがアルカリに振られた結果です
この後pHが7.8の基材にpHが10のサルファイトを5:1で調合したものを前髪に塗布して縮毛矯正をしたところ
先ほど縮毛矯正をしたところより伸びたかたちになりました
pHとpkaが凄い関係しています
他の薬剤のpkaとpHの関係性をみてみます
チオグリコール酸 pka 10.40
チオグリコール酸はpkaが10.40という事はpHが約10付近の領域で活性化するということ
GMT pka 7.81
GMTのpkaは7.81なのでpH8〜7付近の領域でGMTの効果が発揮されます
システアミン pka 8.26
システアミンはpHが9〜8付近の領域でシステアミンの効果がでるということです
システイン pka 8.54
システインはpkaが8.54なのでpHが9〜8付近の領域でシステインが活躍するということ
チオグリセリン pka 9.68
チオグリセリンのpkaは9.68です
チオグリセリンはpHが10〜9付近の領域でチオグリセリンの良さが出ます
スピエラ pka 6.90
スピエラのpkaは6.90なのでpHが7〜6付近の領域でスピエラの力が出ます
このように薬剤によって活躍する領域が違うんですね
アルカリ性で活躍する成分
中性で活躍する成分
酸性で活躍する成分
それがpkaとpHの関係性です
pkaは数値の半分しか効果が出ませんので気を付けて下さい
薬剤の間違えた調合
pHとpkaを理解すると薬剤の調合は凄い難しいですよね
酸性で活躍する薬剤があるとします、そこにアルカリ性の薬剤を入れたら酸性の薬剤の意味をなくしてしまいます
アルカリ性で活躍する薬剤に酸性の薬剤を入れたらアルカリ性と酸性で中和してしまいますね
中性で活躍する薬剤にアルカリ性、酸性全部入れたらどうなりますか?
薬剤成分が不安定になって危険になりますよ
入れる量にもよりますが考えて調合しないといけませんし、調合する時はリトマス試験紙やpH測機などである程度のpHを図って置かないとどんな特性の薬剤になっているか?
わからなくなってしまいますよ〜〜
たまぁ〜にpkaがないとかいう美容師さんの話を聞きます
pkaがないとか言うと今まで人間が築いて来たものを否定し、化学をバカにする事になります
そういう美容師のいう事は信用しない方が身の為ですよw
pHとpkaの検証結果わかった事
今回のT氏との検証でわかったことはpkaは確実にありpHが1変わる事でどんだけ変わるか!という事がハッキリとわかった検証会でした
その事を理解し、そして敏感に感じ取らないとゲスト様の髪をとんでもない事をしでかしてしまいますよ〜〜
自分の過大評価や自信過剰はとんでもない事を犯す前触れです
ゲスト様の髪をする時は細心の注意を心掛けましょう!
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